老舗企業倒産9割増、1〜6月「リーマン」上回るペース

帝国データバンクは19日、創業・設立から100年以上の老舗企業の倒産件数が2024年上半期(1〜6月)に前年同期比9割増の74件だったと発表した。
上半期として統計を遡れる00年以降で過去最多となった。
年間ベースでリーマン・ショック時の08年(120件)を大幅に上回る可能性がある。
物価高による採算悪化に加え、後継者不在を理由にした倒産が目立つ。
帝国データが倒産(法的整理のみ)となった企業のうち、創業・設立から100年を超えている件数を集計した。
1〜6月は74件と23年1〜6月(38件)に比べ95%増えた。


仕入れ価格の上昇により収益が悪化した「物価高倒産」が14件、後継者不在で事業継続の見込みが立たなくなった「後継者難倒産」が11件あった。
業種別では製造業(22件)と小売業(21件)がともに全体の約3割を占めた。
老舗メーカーにとっては老朽化した生産設備の更新費なども経営の重荷になっている。
帝国データバンクの旭海太郎副主任は「近年の物価高で取引先の資金繰りも苦しくなる中、長年の付き合いを生かした価格転嫁交渉などが通用しづらくなっている」と分析する。
資金体力のある大手は低価格と安定供給を武器に市場シェアを広げており、今後も老舗にとっては厳しい事業環境が続きそうだ。
同社によると日本の老舗企業は4万3631社で、毎年約2000社が100年経営企業の仲間入りをしている。
(2024年7月19日 日経電子版の記事から抜粋)